最強と呼ばれた罪裁者バディの片割れである青年、クラミツハ。"紫"の名を持つ、重力操作の使い手。
「俺とお前なら絶対に負けるわけねぇな!さすが俺の相棒だ」
「クラミツハが俺の動きに合わせてくれてるからだよ、これからも頼りにしてる」
喰魂を捕獲した後、バディ同士であるアドラスとクラミツハはいつものようにお互いを労う。
「それにしても最近は"悪側"がよく出てくるね。ただでさえ人手不足なのに困ったな……」
アドラスはそう言うとはぁ、とため息をつく。
クラミツハはそれに気付くと不敵な笑みを浮かべ、双剣を持ち、片手を前に突き出す。
「裏で組織が結託してる可能性があっても出てくれば倒すだけ、だろ?それに実際その気配があれば俺が意地でも情報を吐かせるさ」
その言葉にアドラスは安心するように微笑み、クラミツハの頭を撫でる。
「……やっぱりクラミツハは最高の相棒だ。さて、そろそろ拠点に戻ろうか。報告書書いたらケーキでも食べよう」
「お!賛成!!もちろんショートケーキもあるよな?」
アドラスの言葉にクラミツハは、ぱぁっと表情を更に明るくさせた。彼にしっぽが生えていたら思いっきり揺れていただろう。
「帰って報告書書いてケーキ食って……その後にお楽しみの時間だな。ははっ、今回は何を使って拷問するか……」
クラミツハはアドラスと帰路につきながら小さく呟く。拷問好きなクラミツハにとって、拷問の時間はティータイムと同じようなものなのだろう。
クラミツハ。"紫"の罪裁者。
彼は、いつも明るく振る舞い、周りに頼られ、いつだって罪裁者の尊厳を貫いている。
最強の1人かつ、陽気で残忍な一面も持つ男である。
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