「おや、貴方と会うのは初めてですね。」
南国の観光中、君は1人の青年に話しかけられる。
「私は主様…デュアルヴェイン様にお仕えしているグラミアと申します。名前の他に強欲の喰魂などと呼ばれておりますが、どうぞお好きなようにお呼びください。」
デュアルヴェインの側近となれば、かなり腕の立つ喰魂なのだろう。軽く挨拶をすると、グラミアはふふっと微笑んだ。
「私は欲しいものはなんでも手に入れてきました。私がまだ人間だった時も、手に入れる為ならばどんな事だってしてきましたが……1つだけ、手に入れられなかったものが…手元に置いておけなかったものがあるのです。」
手元に置いておけなかったもの…?と君が首を傾げると、はっとした様子で口を噤む。そして少し間があき、
「……紹介が長くなってしまいましたね。話の続きはまたいずれ。これからはどうぞよろしくお願いします。」
と話を切り替えて、軽く礼をすると去っていった。
彼は一体どんな人物なのか……それは君がこの果てしなく長い物語を全て見届ける頃には、明らかになるだろう。
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