主が眠っている間、"彼"はかつての姿へと形を変え、最凶の番人と化す。
「警戒心がないな、俺の主は。……まぁそれだけ俺を信頼してくれているのなら、少しくらいは頑張ってやるか」
暴食の喰魂オブルーク……彼は今日も親愛なる主を守るために、その力を振るう。
あらゆる姿に身体を変化させ、恐ろしき異形を操り、主の命を狙う悪を喰らっていく。
魂?そんなものはいらない。なぜなら既に強いから。
主を裏切る?しないに決まっている。此奴こそが俺が初めて気に入った人間の孫であり、生き様に興味を持った存在だから。
死?怖くはない。何故なら一度、死に触れたから。それを自分の人生を犠牲にしてでも助けてくれたのが今の主であり、俺を殺せるのもまた主だけだから。
__だから、俺が最後まで守ってやるんだ。酷く優しく……愚かで愛おしい、ヴァイスという人間の主を。
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